書籍の紹介
私たちの平均寿命は大幅に伸びている。
老後と聞いて病気や認知症、介護など、マイナスなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
この本では「長寿を厄災ではなく恩恵にする方法はある」と説いています。
長寿化によって何がどう変わるのか、私たちにどんな影響があるのか。
これらを理解して人生設計を立て直しましょう。
長い人生を、より自分らしく生きられるように、今こそLIFESHIFTするべきです。
(要約)15個の抜粋ポイント
労働市場が急速に変化する中で、70代、80代まで働くようになれば、手持ちの知識に磨きをかけるだけでは最後まで生産性を保てない。時間を取って、学び直しとスキルの再習得に投資する必要がある。
これから数十年で、労働市場に存在する職種は大きく入れ替わる。私たち一人一人も大きく変わる必要があるし、企業などの雇用主や、社会と国家も大きく変わる必要がある。
引退した人々を調べた研究によると、不活発な生活を長期間続けている人は、認知能力が減退したり、人生に対する満足度が低下したりすることがわかっている。人には適度な刺激が必要なのだ。
昨今ではリモート勤務も増えつつある。人工知能が発達すれば雇用の空洞化も加速する。それでも、人間の方が優位性を持っている職種は残るだろうし、今は想像もできない新たな職種が誕生するだろう。
無形の資産は、それ自体に価値があることに加え、有形の金銭的資産の形成をたすけるという点で、長く生産的な人生を送るためのカギとなる。両者のバランスを取り、相乗効果を生み出していかなくてはならない。(無形の資産とは、やさしい家族、素晴らしい友人、高度なスキルと知識、肉体的・精神的な健康に恵まれた人生など)
一つの分野の専門技能を習得するだけでば、おそらく長い勤労人生を通して生産性を維持できない。途中で職を変えたり業種を移ったりするケースが増えれば、評価が高く、どこでも通用するスキルや知識を持つことの重要性が一層高まる。
あなたが自らの未来のために描く設計図は、あなた自身のニーズや希望や願望を軸に描かれるべきだ。あなたの人生のシナリオは、あなたでなければ描けない。
自分がどういう人間なのか、何を大切にするのかが明確になれば、人生の多くのステージに一貫性を持たせられる。過去と未来をつなぐ一貫したストーリーを持っている人は、いくつものステージを移行することにともなうリスクが小さい。
私たち一人一人が自分にとって魅力的な未来について考え、有形と無形の資産のバランスをとることを 念頭に置きつつ、未来の細部を具体化していかなくてはならない。
長寿化によって若々しく生きる期間が長くなるとはいえ、やはり医療費や介護などの出費が増えることは頭に入れておかなくてはならない。
長寿化がさらに進めば、セルフコントロール(自己抑制)の失敗が生むコストは一層膨らむ。いかにして現在の行動と未来のニーズのバランスをとるか。100年ライフを生産的で充実したものとするには、セルフコントロールの能力が非常に重要になってくる。
余暇時間の使い方は、時間を消費するのではなく、無形資産の形成に時間を投資するケースが増えていくのだ。レクリエーション(娯楽)ではなく、自己のリ・クリエーション(再創造)に時間を使うようになる。
「ありうる自己像」の選択肢が大きく広がる時代には、実験を通じて、何が自分にとってうまくいくのか、自分が何を楽しく感じ、何に価値を見出すのか、何が自分という人間と共鳴するのかを知る必要がある。
長い人生を通して生産的でありたいと思う人は、何か一つでもいいから困難な学習目標を立てて、強い覚悟を持ち、目標に向けて脱線せずに忍耐強く努力し続けよう。
もっとも付加価値の高い産業は、物的資本ではなく人的資本に基礎を置いている。多くの企業は優秀な人材の獲得とつなぎとめを強く望み、そうした人たちの要求に耳を傾け、それを受け入れることに前向きになる。
(実践)3個の行動ポイント
- 老後に必要な生活費をあらいだす
- 自分の好きなこと、興味があることを突き詰めていく
- 健康的でミニマムな生活を心がける
感想・まとめ
私が特に印象に残ったキーワードは無形資産です。
これは1.生産性資産 2.活力資産 3.変身資産
以上の3つのカテゴリーに分類されており、私が注目した2.の活力資産は、肉体的精神的な健康と幸福のこと。
健康、友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係などがこれに当たる。
これが崩れてしまうと損失の代償は大きく、あらゆるパフォーマンスが低下してしまう。
逆に言うとこれさえよい状態を保つことができれば、良好なライフシフトが可能である。
これを期に、もう一度自分の生活を見直してみたいと思います。
健康に対する目的意識を明確にし、心から望む人生をリ・クリエーション(再創造)していきたいです。
本日の書籍情報
【書籍名】超訳 LIFESHIFT 100年時代の人生戦略
【著者名】リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット
【出版社】東洋経済新報社
【出版日】2020-10-8
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】人生戦略・ビジネス
【キーワード】ライフシフト・100年時代・働き方
【頁 数】225
【目 次】
序章
第1章 人生100年時代は本当に来る?
第2章 3ステージの人生は苦しくなる
第3章 無形資産が人生を左右する
第4章 人生はマルチステージ化する
第5章 100年人生の新しいシナリオ
第6章 お金の心配を減らすための考え方
第7章 生涯現役でいるために必要なこと
第8章 学校と企業はどう変わるのか
終章 あなたが未来の「ロールモデル」に
リンダ・グラットン/アンドリュー・スコットさん素敵な本をありがとうございます。
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