「より少ない生き方」

ミニマリズム

より少ない生き方 ものを手放して豊かになる 

著者:ジョシュア・ベッカー 訳者:桜田直美 かんき出版  価格:1,650円(税込み)

THE MORE OF LESS    joshua becker

ミニマリズムとは一番大切にしているものを最優先にして、その障害になるものはすべて排除すること。ミニマリズムのいいところは物が減ることではない。豊かさが増えることだ。

著者紹介

著者:ジョシュア・ベッカー(joshua becker)

現代のミニマリズム運動を代表する一人。ミニマリズム生活を紹介するウェブサイト「ミニマリストになる」の創設者、編集者。

アリゾナの教会で15年にわたって牧師を務める。国際的に活躍する講演家でもある。

妻のキムとともにNPO「ホープ・エフェクト」を設立。

孤児に本物の家族のような環境を提供する活動を行っている。ネブラスカ大学オマハ校経営学部卒。ミネソタ州ベゼル大学神学部で神学修士号を取得。

この本の概要

この本を見つけたのは2018年頃。ミニマリズムに関する書籍は他にもたくさんあるが、

テクニックや生活術ではなくミニマリズムという生き方についてわかりやすく書かれている。

著者の自宅ガレージはモノがあふれ、大掃除をきっかけにミニマリズム人生がスタート。

ものを少なくすることで起こる様々なメリットや問題、経験したことや考え方について学ぶことができる。読んでいて気持ちが軽くなるような感覚を覚えました。

忙しくてあわただしい生活に疲れている人、生活リズムを変えたいと思っている人に有益な内容だと思いご紹介させていただきます。

我が家にも本当に必要としないモノ、屋根裏部屋にとりあえず押し込んでいるモノ、一年間で一度も着ていない洋服などがあります。こうして家中のモノを冷静によく観察してみるといかに不必要なモノにエネルギーや時間を奪われているかに気づきます。

そこで自分の身の回りのモノについてどんな判断基準をもてば良いのか知りたくてこの本を読んでみました。

あらすじ

この著者は

「たくさんのモノ、高価なモノをいくら持っていても幸せになれるわけではない。

それどころか、モノがありすぎるとむしろ幸せから遠ざかってしまう。

いらないものを手放せば、本当に大切なものを追求する自由が手に入る。」と言っています。

モノを手放すことで得られるメリット
  • 時間とエネルギーが増える
  • お金が増える
  • 人のためになることができる
  • 自由が増える
  • ストレスが減る
  • 環境にやさしい
  • 質のいいものを持てる
  • 子供のいい手本になれる
  • 人に面倒をかけない
  • 人と比べなくなる
  • 満足できる

何より参考になったのは著者がミニマリズムを実践するうえでポイントとなる「家族」とのかかわり方。

どういうふうに伝えたらいいの?

私もミニマリズムを目指して生活していますが、奥さんの洋服事情について意見がすれ違うことがあります。

洋服に関する考え方が根本から違うのかなあと思う。

どのようにして家族を納得させたのかというと

家族に押し付けない。

奥さんと話すときは二人とも落ち着いていてリラックスしている時間にミニマリズムの利点を何度も話す。

パートナーの所有物を絶対に許可なく処分しない。

自分がよい見本となる。

子どもが幼くても見本を示し続けることで理解できるようになる。

たとえば

「洗面所の戸棚にモノがありすぎると思うんだけど、整理してもいい?」というように尋ねる。そうやってこちらの要望を伝えれば、相手は驚くほど協力的になってくれるはずだ。夫婦で100%合意することはめったにない。健全な関係を維持したいなら、こちらが引いて妥協することも大切だ。家族との関係が何よりも大事他人は変えられない。あなたができることはその人とのかかわり方だけだ。

後半は慈善活動、意識的に生きること、大きな夢について

慈善活動については著者が紹介するとある主婦の話がとても印象に残った。

その女性はアリ・イーストバーン。子どものいる主婦で40歳。

2007年地元の教会の女性たちと一緒に週末の集まりに参加した時、リーダーが質問をした。「世界を変えるために私たちにできることは何でしょう?」

アリは言った。

「私の結婚指輪を売れば、アフリカの1つの村に暮らす全員に食料を届けることができると思う。」

アリは指輪を売ってアフリカで井戸を掘る活動をしている団体に寄付した

現在ではNPOを設立し1000個以上の指輪が寄付された。そのお金で、アフリカ、中央アメリカ、インドの村にきれいな水を届け、何万人もの命を救っている。

時間やモノをあまったら手放すという行為で世界の貧困にたいして援助をする。

ミニマリズムの大きな見返りの1つは、与える人になれることだと説いています。

そして、ミニマリズムによって生まれたお金、時間、自由をどう使うかを考えるとき、1つの矛盾が現れる。

自分の利益だけを追求することを選ぶと、確かにある程度の幸せは手に入る。

しかし、人のためになる道を選ぶと、はるかに大きな喜びと満足感が手に入る。

感 想

この本ではミニマリズムを通して人生をどのように生きるのか、本当に大切なものは何かを考える良いきっかけになりました。

何も考えずに生活していると大量の情報に流され、便利な道具に時間を奪われてしまいそうになる。

最近は特に時間の使い方についてよく考えます。油断したらあっという間に時間が過ぎてしまい、後悔することがよくあります。(>_<)

こんな時自分の優先順位をしっかりもっていれば迷わないで判断できるようになるのかもしれませんね。

今後の理想のビジョンを鮮明にイメージして、そこに向かって努力していきたい。その過程をミニマリズムを通して満足感を味わいながら楽しんで生きたいです。

なんだか欲張りな気もしますが、理想は高く、予算は低くですね(≧▽≦)

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