心に折り合いをつけて「うまいことやる習慣」を読んでみた

書評

自己啓発系の本は好んで読んでいる。内容は似たようなことを書いている本が多い

「自分の好きなことを仕事にしよう」、「得意なことで楽しく働こう」、「幸せになる働き方」みたいな話

読んでみていつも感じるのが、人ぞれぞれ得意なことも違えば価値観も違うということ

考え方やライフハックなど勉強になるヒントは得ることができる。しかし、自分にとってこれが答えだみたいな本に出会う確率はすごく低い

なんだか楽しそうでワクワクするのは理想的でもある 。自由で挑戦的でアグレッシブな働き方はかっこいい

今回読んだ本は最近の流行とは真逆の考え方。あるいみ古いのか?一周回って新しいのか?

なにより本書の主人公 中村恒子先生がとても魅力的に思える

仕事に対する考え方、人間関係がうまくいくコツなど参考になる内容なので、ご紹介したいと思います

中村恒子先生のこと

  • 1929年広島県生まれ
  • 1945年16歳で一人、広島から大阪へ
  • 89歳の現在まで精神科医として勤務
  • 最近まで週6日フルタイム勤務
  • 2017年の8月からようやく4日勤務に減らされたそう

中村先生は開業医ではなく70年間勤務医として働いてきた。いわばサラリーマンのような働き方

この本は「聞き書き」を同じく精神科医の奥田弘美先生が担当しています

奥田先生のコラムでは中村先生のリアルな人生を知ることができます

心にしみる中村先生の名言集

仕事が好きじゃなくてもまったく問題ない。「やらないよりやった方がまし」くらいが続けていくにはちょうどいい

私自身仕事が好きでなければいけない。やりがいをもって取り組まなければと考えているふしがある

難しく考えれば考えるほど迷宮入り。今の仕事を本当に好きなのか?と疑問を持つと、ほかにむいてる仕事があるんじゃないかと思えてくる

中村先生は自分や家族が食べていけるなら十分だと言っています。先生自身、「仕事は好きでもなければ嫌いでもない。どちらかというと好きかな?」という感じ

あまり立派な志や高すぎる目標ばかり持ちすぎると、未来の事や成果にばかり気がとらわれてしまう

お金をたくさん稼げたとしても、身体を壊すほど働いて、自分も家族もボロボロっだったら?

程よく忙しくて、人様の役に立てるような仕事を続けていけたら十分なのです

「幸せでなければいけない」と、思わない方が幸せ。余計な荷物は、おろしていく

自分が幸せかどうかと考えている時って、他人と比較している場合が多い

その方が分かりやすいし、他人のキラキラした生活はやはりうらやましく感じる

どんな車に乗っているか、どんな家に住んでいるか。わかりやすいものさしはいくらでもある

比べだすときりがないのに、勝手に焦って悩んだりしている自分がいる

中村先生はもっとシンプルに自分と向き合う覚悟が大事だとおっしゃっている

「足るを知る」ということは足元をみて目の前の生活を大切にすること

そのうえで人生には苦難や試練もたくさん降りかかってくる。自分が心地よく生きていくのに必要な物は案外少ないのかもしれない

言い争いの後は、先に謝るのが勝ち。しょうもない我を張ると、居場所がなくなっていく

これは本当に実感していること。私も我を張って素直になれないことが多々ある

先に謝るのは負けだと思っていた。これは逆なんですね

中村先生はギクシャクした関係のまま話し合いが終わったなら、次の日は自分から声をかけるように心がけているそうです

確かに先に謝ってしまえば、我を張る必要もなく気持ちが楽になる

我を張り続けるというのはメンタル的にもしんどいこと

先に謝って気楽に過ごせた方が幸せですね

人を変えることにエネルギーを使わない。「自分がどうしたら快適に過ごせるか」にエネルギーを使う

職場の環境や家庭でも100%満足できる人間関係はない

「他人さんの性格や行動を変えるのは至難の業やから、自分がどう動けば快適になるやろか」という発想が大事

合わない人とは薄く付き合って、あたりさわりなくやり過ごす

気が合うなと思う人とは濃密に親しく付き合うようにしている

合わない人や苦手な人になるべく意識をむけずに、一緒にいて楽しい人に時間と意識をむけていれば、どんな場所でも快適に過ごせるようです

「自信がない」は、悪いことじゃない。急ごしらえの自信が、一番危ない。

自信がある・ないはゆるがないものではなく、たゆたっていくもの

自信はつけようと思ってつけれるものではない

大事なことは、自信をつけることよりも自分の性格だったり好き嫌いをちゃんと把握しておくこと

繊細な人は大きく振る舞うことは苦手だけど、細かいところに目が届く。図太い人は細かいところが苦手だけど、開放的で楽しい話ができたりする

良い悪いではなく、これは得意(おおいにやればいい)これは苦手(無理してやらなくていい)を自分に正直にハッキリさせておくこと

人と比べたくなるのは仕方ない。でも、どんな元気そうな人でも、悩んでいない人はいないことを知る

どんなに幸せそうにみえる人でも、傍からみるよりもはるかにしんどい思いをしていることも多い

どこへ行っても何になろうともいっしょ。どんな立場になったとしても、生きる上での苦しみや悩みはついて回る

だから、自分と人を比べて落ち込んだり、羨んだりしても意味がない。全くムダなエネルギーである

はなばなしい成功や活躍せずとも、一隅を照らす存在になればよし。

成功や活躍せずとも、自分の置かれた環境で一隅を照らしてさえいればよい

職場でも家庭でも、自分のまわりにいる人に温かい光をささやかでも送れればそれでよい

まとめ

この本を読んで自分の人生に照らし合わせてみると、今の環境は恵まれているなと思えてくる

以前は成功しないといけないとか、活躍してないといけないとか、他人を基準に自分の人生をみつめていた

これではいつまでたっても人生に満足感を感じることはないだろう

もっと気楽に人生ってものを考えてみるのもいいかもしれない

家族が食べることができて、健康であればこれ以上に望む必要があるのだろうか?そんな疑問も生まれてくる

もう少し、しっかり自分と向き合っていこう

これが自分の人生だと覚悟をきめて、自分らしく生きていきたい

本を読み終わったあとになんともすがすがしい気持ちになりました

コメント