2023年10月08日(日) 放送分 vol.1270
PROFILE
1972年、歌舞伎俳優の七代目尾上菊五郎と女優・富司純子の長女として生まれる。高校在学中にTVドラマで女優デビュー。大学時代に文学座の研究生となり、1996年「華岡青洲の妻」で文化庁芸術祭賞新人賞を受賞。文学座退団後、2003年に公開された映画「赤目四十八瀧心中未遂」で第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を獲得。同年の「ヴァイブレータ」も国内外の映画祭や映画賞で大きな注目を集める。2010年「キャタピラー」にて、ベルリン国際映画祭で日本人として史上3人目、35年ぶりとなる銀熊賞(最優秀女優賞)を受賞。近年の主演作に、日米合作映画「オー・ルーシー!」や「あちらにいる鬼」などがある。
私生活では2007年にフランス人のアートディレクターであるローラン・グナシアと結婚。2012年に第一子・眞秀を出産した。趣味はスポーツ観戦。
REVIEW
歌舞伎の世界は男性俳優の世界。そんな歴史ある歌舞伎界に異例の抜擢を受けた女優「寺島しのぶ」
歌舞伎俳優の長女として生まれ、弟が中心の家族。大好きな歌舞伎の舞台に立てる大きなチャレンジ。
不安と希望が混じりあう。様々な感情が自分の語りかけてくる。
「人の心を動かせる芝居がしたい」
稽古を重ねる女優の役者魂にスイッチが入った。
演技に対する集中力がすごい。
全身を使って監督のイメージを体現しようとする。
自分がこれまで持っていた歌舞伎の演技。この刷り込みを作り変えていく作業。
簡単なことではない。
舞台初日を終えた感想は意外なほど冷静沈着だった。
「感動もなにもない。やる前の方が感動していた。いざ終わったら冷めている。なんだこの芝居は、だめだな~」
自分への厳しいダメ出し。
プロ意識の高さが伺える。もっといい芝居がしたい。けっして満足することがない。
だからこそ、数々の映画賞を受賞し活躍することができたのだろう。
芝居へのあくなき探求心はこれからも続きそうだ。
舞台が終わり、帰り支度をしながら「役者は2役3役やる。私はこれから母親役をやる」
根っからの「役者」なのだ。
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