水素エネルギー社会に向けて

書評

先日うちの三女が、お父さんが好きそうだからと言って本を借りてきてくれました。

たしか前回は再生可能エネルギー図鑑

今回は本田技研工業が協力している、学研の子供向けコンテンツ

“まんがでよくわかるシリーズ”最新刊

「【新版】燃料電池自動車のひみつ」日本のエネルギー問題

という本を読ませてくれました。

 

たしかに興味をそそられる内容で、勉強になりました。

そこで内容を少しご紹介したいと思います。

水素エネルギーについて

<日本のエネルギー現状>

  1. エネルギーの約90%を輸入
  2. 発電のためのエネルギーの約81%は化石燃料

<水素とは?>

水素は酸素と結びついて「水」として存在しています。

<水素はどうやってエネルギーになるの?>

燃やしてエンジンを回したり、燃料電池で酸素と反応させて電気を起こしたりして、

エネルギーとして使います。

<水素エネルギーは環境にやさしいの?>

水素エネルギーはco2を排出しない点や、どれだけ使ってもなくならない点で、

地球環境にやさしいと言われています。

<水素は安全なの?>

ガソリンや電気と同じく、水素を安全に使う技術が確立しています。

ホンダ世界初の5人乗り燃料電池自動車

 

その名も 「クラリティフューエルセル」

電気自動車はバッテリーに充電した電気でモーターを動かす。充電する電気の多くは

化石燃料を燃やして発電している。

燃料電池自動車は、水素を燃料にして燃料電池ではつでんして、モーターを動かす。

発電の時に出るのは水だけ。

車内の広さを確保するために燃料電池のパワートレーンという装置をできる限り

小さくして、ボンネットの中に収めるのが一番大変だったそうです。

水素と酸素を反応させて電気を作る燃料電池、電圧を調整する昇圧コンバータ、冷却装置、

電気モーターなどをコンパクトにまとめて小型化し、ボンネット内に収めている。

その他にモーターの働きを補助するバッテリーや燃料の水素をためておく水素タンクを

搭載している。

スマート水素ステーションについて

太陽光パネルで発電した電気で水を分解し、水素を製造・供給する設備。あまった電気を

つかって水素を作りためておくことができる。

水素ステーションは

  • 水素を車両に供給するためのノズルを備えたディスペンサー
  • 水素を蓄えておく水素タンク
  • 水素を適切な圧力に高めておく圧縮機

などで構成されています。

スマートハウスについて

最近、太陽光パネルで電気をまかなう住宅が増えてきている。

ただし、曇りの日や夜は発電できないから、電力会社から電気を買うしかありません。

昼間に発電して、あまった電気をためておくこともできない。(売電契約はありますね。)

大きな蓄電池は場所も費用もかかるし、放電するので長期間ためておくことができない。

スマートハウスはタンクにためた水素から電気を作ることもできて、仮に停電してしまって

も電気を使うことができる。

電気自動車や燃料電池自動車から電気を取り出して住宅に使ったり、太陽光で発電した

電気を電気自動車に充電したりすることができる。

スマートハウスのような住宅が当たり前の世の中になれば、地球環境にやさしくて持続可能な水素エネルギー社会が実現できそうですね。

エコアイランド宮古島

沖縄県の宮古島は、島の美しい自然を守りながら、エネルギーの自立を目指した

「エコアイランド」運動を進めています。

宮古島のエネルギー課題

  • これまで電気は島内にあるふたつの火力発電所でまかなっていた。
  • 一年中気温が高いので、エアコンでたくさんの電気を使う。
  • 電車がないので交通手段は車しかない。ガソリンは島の外から運んでいる。
  • 家計の支出においてエネルギー代が大きな割合を占めている。
  • 原油の値段が上がると、生活に直接影響が及ぶ。
  • 毎年の台風で電柱が倒れると、停電が続く被害。

エコアイランド宮古島

風力発電や太陽光発電などの再生可能エネルギー設備を導入して、安定した電源である火力発電と組み

合わせることで、電気利用の効率化を図っている。

将来のエネルギー社会のあり方

資源エネルギー庁は、将来のエネルギー社会のあり方として、小規模分散型エネルギーの

利用を進めています。

これまで大規模集中型・一方向型のエネルギー社会

<問題点>

  • 大きな電力を作るために、主に化石燃料を使用するので、co2を多く排出する。
  • エアコンなどで最も多く電気を使用する夏や冬の最大電力を賄うために、大きな設備が必要。
  • 遠くまで電気を運ぶため、無駄が発生し、エネルギー効率が悪い。
  • 地震や台風などの災害によって停電した場合に、被害がおおきくなる。

これから小規模分散型・双方向型のエネルギー社会

よい点

  • 再生可能エネルギーとコージェネレーションシステムを組み合わせることで、co2の排出量を削減。
  • エネルギーを地域で作り、地域で消費するためエネルギーが確保しやすくなる。

さらに期待できること

  • 地域に新しい仕事が生まれることで、都市部への人口の流出が減り、地域が活性化する。
  • それぞれの地域の再生化可能エネルギーを利用して、水素を作って貯蔵することができる。
  • 家庭や会社で発電し、電気自動車や燃料電池自動車を使って電気を移動することができる。

豆知識

  • 2010年長崎県の五島列島では、電気自動車100台でパレードが行われ、ギネス記録として認定された。
  • 世界自然遺産に登録されている屋久島ではほぼすべての電力が水力発電でまかなわれている。
  • 世界最北の島国アイスランドは、地熱発電を中心とした再生可能エネルギーだけで国内の国内の電力をまかなっている。
  • デンマークのローラン島は、安定的に吹く風を利用した風力発電と水素を組み合わせて、電力を100%自給している。

まとめ

いや~今回も興味深い内容で一気に読んでしまいました。

まんがなので読みやすいし、わかりやすく書かれています。

最新の情報を知ることができるし、これまでの経緯がひとめでわかります。

特にホンダの開発裏話みたいな部分もあり、リアルでおもしろかったです。

うちの三女ちゃんはサプライズで本を借りてきてくれるので、次の本を楽しみにしておきたいと思います。

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